むらの原理 都市の原理 年末本棚の整理をしている時に久々に手にした本 なんとなく読み始めると 最近、設計の仕事や麦つくりの中で日々考えている もやもやとした境界線がスッキリとしました むらの原理と都市の原理を理解することで 今自分が住んでいる環境を どちらの物差しでも見ることができて よりよく理解できる気がしてきました 「むらは扶助と義務とで成り立つ自立の社会であり 都市は権利と管理で成り立つ分業の社会」 私は広島市郊外の昭和40年代に造成された住宅団地で育ち 都市で暮らすための教育を受けてきました 社会の一員として分業の一役を担っているのでしょう 戦後むらから人を吸収して都市は広がり 都市のルールでむらについても考える時代が続いて そのなかで育って生活してきたのでしょう むらでは 山の木で火を焚き 自然から水を得て 田畑で野菜・米などを作る時 一戸の家は自立できます 都市では 分業をこなし 給料を得て それを元手にすべてを買うことができます 全てに価格がつけられています 私が最近設計で関わった広島市近郊の農家はむらの原理でできたもの 自立するための設備をいつでも備えることができますが 都市の原理で生活することもできます 私が伴東で耕作している麦畑周辺は 都市化によって地力の持っている土地が 地辺となり売り出されていきます 自立する家をつくることは難しい状況です TVで見た 農家をシェアハウスにして 都市からちょっと逃げ出したい若者たちが集まっている状態 そこでむらの原理を知ることで 一人の人間の自立に必要なことを知れば むらでも都市でも生活する場所をみつけ出せるのでしょう 人が自然と共生して むらと都市を理解し どちらも成立させていけばよいと思います 最後に 町内会というのは むら的な扶助の考えを残して都市のなかにあります もう少し都市になじむように 働きと名前を変更させた方が良いと思いますが みなさんいかがでしょうか