黒川温泉郷 私は熊本県で大学時代をすごし 建築の勉強をはじめました 細川県知事がアートポリス構想を立ち上げ 有名な建築家が来て公共建築を建てられ 講演会や見学会がたくさん行われた時代でした そのころ黒川温泉郷も入湯手形の発行を機に 緑化にとどまらない街並み整備にのりだした頃でした 景観つくりのイメージリーダーの建物 旅館組合事務所『風の舎』は 私が一年生から四年生まで 夜な夜な自分のリビングのように過ごしていた 図学準備室にある住宅研究会を主宰されていた 内山先生が設計されました そのころの私は興味が別の方向で 図面を書くお手伝いもしていなかった アートポリス30周年のシンポジウムがあるというので 熊本に行き黒川温泉郷に足をのばした時の写真 木を伐りはじめ木に興味を持ってから この写真を見て『ずっどーん』と撃ちやられてしまいました 雑木・みどり・坂道・シークエンス 時間をかけてつくられたものの美しさ 温泉街がもっている雰囲気みたいなものを 先生たちは見越してつくっていたのだと なじむものをデザインすることのすごさを思い知りました 歩くことの楽しさがある街はいいな 周辺環境へのアプローチの仕掛けもつくられ ウォーキングフットパスとしてコースも設けられてます そぞろ歩きをしたあとでゆくっり温泉 また行きたい場所です 『黒川温泉の風景づくり』の取り組みは 2009年土木学会デザイン賞優秀賞を受賞 取り組みの全容は雑誌BIOcity2010年no.45号に載ってます